最近、アスターネットワークって耳にするんだけど、どういうプロジェクトなの?
今回はこの疑問に答えます。
「アスターネットワーク(Astar Network)」(以下、アスター)は日本発のパブリックブロックチェーンです。
パブリックブロックチェーンとは、誰でも参加可能な中央管理者のいないブロックチェーンで、ビットコインやイーサリアムなどが該当します。これと対をなすのがプライベートブロックチェーンです。
アスターは2022年1月にローンチしましたが、すでに多くの機関から出資を受けています。
強い期待を寄せられているプロジェクトなので、概要だけでも把握しておきましょう。
動画で学びたい人は、こちらもどうぞ。運営の代表が直接解説してくれています。
本ブログでは、より噛み砕いて初心者の人でもわかりやすいように説明します。
目次
アスターネットワークとは
渡辺創太氏(@Sota_Web3)が代表を務めるステイクテクノロジーズ社が開発を主導する日本発のパブリックブロックチェーンです。トークンは、Astar(ASTR)です。
アスターはポルカドット上に構築されるブロックチェーンで、異なるブロックチェーンとの橋渡し的な役割(dAppハブ)を担います。
現状では、異なるブロックチェーンでのトークンの移行は困難です。そのため、資金の移動のたびに手数料がかかったり、送金ミスをしてしまったりという問題があります。
例えば、ビットコインとイーサリアムはチェーンが異なるので、取引所などを介さなければ気軽に交換できません。
こういった問題を解決しようとしているのが、ポルカドットというプロジェクトです。ポルカドットは複数のブロックチェーンをつなぎ合わせることでシームレスなネットワークを構築しようとしています。そのブロックチェーン間の橋渡しをするのがアスターというわけです。
ポルカドット自体には、ブロックチェーンを接続する機能とセキュリティ機能しかありません。そんなポルカドットに対して、アスターはスマートコントラクトの機能を提供します。
ポルカドットが母体となって、プロジェクト全体の運営、セキュリティ機能を担い、アスターネットワークが手足となり、スマートコントラクトなどの機能を提供する、といったイメージです。言わば、親会社と子会社の関係です。
開発者のメリットとしては、アスター上でプロダクトを開発することで、イーサリアム、ポルカドット両方に対応できるため、プロダクトを従来よりもスケールすることが可能になります。
今後もアスターに接続されるブロックチェーンは増えると予想できるので、ユーザーにとってもますます使いやすい環境が整います。
ポルカドットについてもう少し詳しく説明すると・・・
ポルカドットは大きく、リレーチェーンとパラチェーンに分かれており、下の図で、中央に位置するのがリレーチェーン、周りに接続されているのがパラチェーンです。リレーチェーンとは、ポルカドットの心臓部で、パラチェーンを接続するためのチェーンです。一方、パラチェーンとは、スマートコントラクトなどの独自の機能、独自のトークンを持つチェーンです。アスターは、このいくつもあるパラチェーンのうちの一つです。
リレーチェーンに接続されるパラチェーンは、パラチェーンオークションと呼ばれる人気投票のようなもので選ばれます。アスターはこのパラチェーンオークションにおいて、約450億円分の投票を獲得し、パラチェーンの座をつかみ取りました。
特徴①dApps Staking が革新的!
アスターの画期的な特徴として、dApps Staking(ダップスステーキング)があります。
これは、開発者がアスターから報酬を得られる仕組みです。
具体的には、ブロック生成報酬の40%が dApps Staking として割り当てられており、そのうちの50%がアスター上でdAppsを開発する開発者に割り振られるようになっています。
dAppsとは、分散型アプリケーションといい、ブロックチェーン上に構築されるアプリのことです。UniswapやAxie Infinity、ビットコインもdAppsです。
多くの開発者が抱える問題として、プロジェクト立ち上げから収益を得るまでに非常に長い時間がかかることが挙げられます。
ですが、dApps開発者はアスターを利用することで、早期に報酬を得ることができ、より開発に専念することができます。
この一連の仕組を Build to earn とよんでいます。
アスターを利用することで、イーサリアムにもポルカドットにも対応できて、おまけに報酬ももらえるとなったら、アスターで開発したいと思いますよね。
特徴②マルチバーチャルシステム採用
※開発に関係する内容ですので、そうなんだーくらいでOKです
アスターでは、マルチバーチャルシステムという開発環境を採用しています。
何がマルチかと言うと、2つの開発環境をサポートしているんです。それが以下の2つ。
①EVM(イーサリアムバーチャルマシン)
→イーサリアムの開発環境。プログラミング言語:solodity
②WASM(WebAssembly ウェブアッセンブリー)
→Web全般の開発環境。多くのプログラミング言語に対応。
アスターはWeb3.0の基幹インフラを目指しています。
今はEVMによる開発が主流ですが、多くの人にブロックチェーン技術を体感してもらうには、開発者の多いWASMに対応していることが重要だと、代表の渡辺氏は語ります。
EVMはイーサリアムの共同創設者ギャビン・ウッド氏によって作られましたが、彼は将来的にはWASMが主流になるだろうと発言しています。
アスターネットワークの将来性
ここではアスターの将来性について考察します。
僕自身は、アスターの未来は明るいのではないかと思っています。(※投資は自己責任で)
業界関係者からの支持を得ている
約25億円の大型資金調達
クリプト業界トップレベルのVCや、ポルカドットの創設者、また、サッカー選手の本田圭佑氏からも資金調達しています。
Web3.0スタートアップ支援プログラム「Coincheck Labs」の出資第1号
Coincheck初の出資先にも選ばれています。Coincheck上場への期待も高まります。
マイクロソフトがサポート
世界最大のテクノロジー企業であるマイクロソフトが、アスターのインキュベーションプログラムをサポートすると発表。
これらのニュースから、アスターが多くの期待を寄せられていることがわかります。
dApps Staking に多額の資金がロックされている
資金をロックすると、一定期間が経つまで資金を取り出すことはできません。そのため、急な暴落があっても自分の望むタイミングで仮想通貨を売ることができなくなります。
その点、これだけの資金がロックされていることから、アスターに対する信頼性の高さが伺えます。
本格運用はこれから
アスターがポルカドットのリレーチェーンに接続されたのは、2021年の12月です。
接続されてまだ間もないので、実用化が進むのはこれからです。
アスターはテスト用のブロックチェーンであるSIDENネットワークで運用して、優れたプロダクトを本チェーンであるアスターネットワークに移植していく計画のようです。
今後、本格実装が控えている段階でこれほどの評価を得ているので、まだまだ伸びしろはあると思っています。
同時に、アスターが継続的に発展していくには、他のパラチェーンとの競争に打ち勝つ必要があるとも考えています。
アスターと同じようなパラチェーンが実装されたときに、いかに優位性を示せるかが課題と言えるでしょう。
Astar(ASTR)の買い方
ASTRは、執筆時点(2022年3月)で国内取引所では取り扱いがありません。
そのため、ASTRを入手するには以下のステップが必要です。
- 国内取引所で仮想通貨を購入
- 仮想通貨をBinance(海外取引所)へ送金
- Binanceで仮想通貨をASTRにトレード
国内で何かしらの仮想通貨を買い、それを海外の大手仮想通貨取引所であるBinanceでトレードするのが最も簡単な購入方法だと思います。
>>Binance公式サイト
Binanceは金融庁からの認可を受けていません。そのため、利用する際は自己責任でお願いします。
おすすめの国内取引所はGMOコインです。
GMOコインは仮想通貨送金手数料が無料なので、海外取引所を利用するときに最もお得に取引できます。
口座開設方法はこちらでまとめています。
>>【2022年】GMOコイン口座開設方法【5ステップで解説】
まとめ
ポイント
・アスターネットワークは日本発のパブリックブロックチェーン
・アスターはポルカドットとともにシームレスなブロックチェーン環境を構築することを目指す
・dApps開発者に対してのインセンティブ設計が革新的
・業界関係者からの多くの支持を得ている
この規模のプロジェクトが日本発信で進行していることは本当にすごいことだと感じています。
しかし、残念なこともあります。
税制面の理由から、Astarは現在シンガポールを拠点として活動しています。
これだけのプロジェクトが海外を拠点にせざるを得ない今の日本の税制は、ぜひとも変わってほしいものです。
とはいえ、アスターネットワークの活動にはこれからも目が離せません。
僕自身も応援していきます!