仮想通貨の始め方

トラベルルールでどう変わる?仮想通貨保有者が取るべき行動とは

2022年3月31日

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トラベルアイキャッチ

トラベルルールってどういう内容なの?具体的に私達にどう影響するの?

今回はこんな疑問に答えます。

2022年4月1日から、仮想通貨の送金ルールが変わります
トラべルルールの導入です。

このトラベルルールですが、「なんとなく送金に制限がかかるらしい」くらいの認識の方が多いように感じたので、今回わかりやすく記事にまとめておこうと思います。

国内取引所を利用している人は必見です。

※本記事は2022年3月末に執筆しております。情報が変わる可能性もありますので、最終的には各自の判断のもとに取引を行ってください。

トラベルルール導入の経緯

FATF(金融活動作業部会)という国際組織が、マネーロンダリングなどのお金の不正な流れをなくすべく、各国の規制当局にトラベルルールの導入を呼びかけています。

日本も金融庁が法整備を進めていますが、今までにない新しい規制のため、まずは試験的にJVCEA(日本暗号資産取引業協会)の自主規制規則に基づいて導入されることとなりました。


という流れで、トラベルルールを主導しているJVCEAが出した案内がこちら

そして、このルールが導入されるのが、2022年4月1日です。

とはいえ、実際に法律として導入されるのはまだ先の話で、4月1日からは本施行に至るまでの準備期間という位置づけです。

段階的適用
引用:JVCEA『トラベルルール導入について

トラベルルールの内容

実際のルールの内容を見てみましょう。

“トラベルルールとは、「利用者の依頼を受けて暗号資産の送付を行う暗号資産交換業者は、 送付依頼人と受取人に関する一定の事項を、送付先となる受取人側の暗号資産交換業者に通知しなければならない」というルールです。”
JVCEA『トラベルルール導入について



ややこしいですが図にするとこんな感じです。

トラベルルール

『取引所Aは取引所Bに対して、送付依頼人と受取人の個人情報を伝えなければならない。』



あくまでこれは、暗号資産交換業者(取引所)に課せられたルールであるということ。取引所はこのルールに基づき、ユーザーに対して個人情報の提供を求めてきます

取引者は、ユーザーの個人情報を保管しておくことで、もしマネーロンダリングなどに利用された場合でも、資金の出どころが把握できます。

そのため我々ユーザーは、取引所に対して個人情報を提供する必要があるんですね。

✔ユーザーが提供する情報とは

あなたが仮想通貨を送金する場合、取引所から以下の情報※1を求められます。

  • 自分の名前、住所
  • 受取人の名前、住所※2、仮想通貨アドレス
  • 受取側の取引所の適否、そうであればその名称
  • 取引目的※2

※1:取引所によって求められる情報は異なります。
※2:受取人の住所、取引目的は2022年10月1日から求められる。



つまり、トラベルルールを受けて、ユーザーの取引の変更点は、「上記の情報を取引所に伝える必要が発生した」というだけです。

感じ方は人それぞれですが、これくらいであれば今までの仮想通貨取引とあまり変わらないと思っています。

情報提供はめんどくさいですが、これくらいであれば我慢しましょう。。



ただし、10月1日から求められる、受取人の住所取引目的、これらを要求するのは厳しすぎるなぁと感じますね。

受取人の住所に関しては先方に住所を聞き出すことが本当に可能なのか、取引目的に関しては目的次第で取引が制限されるのか、ここがポイントかなと思います。

とはいえ、条件は変わる可能性もありますし、実際に運用段階にならないとなんとも言えません。
現段階では、知識として頭に入れておきましょう。

取引所の通知義務3パターン

差し込み画像

トラベルルールは、「取引所が、送付依頼人と受取人の情報を、送付先となる取引所に対して通知しなければならない」というルールでしたね。

この取引所の通知義務はユーザーの送金のパターンによって変わります。全部で以下の3パターンに分類されるので、それらを説明していきます。

  1. 国内取引所→国内取引所への送金で、4つの条件をすべて満たす場合
  2. 国内取引所→国内取引所への送金で、4つの条件を1つでも満たさない場合
  3. 国内取引所→海外取引所やプライベートウォレット、トラベルルール対象外国への送金の場合

これらはあくまで取引所の通知義務であり、ユーザーが提供する情報に変わりはありません。そのため、流し見でOKですが、パターン3はわれわれユーザーの送金が制限される可能性があるので、よく見ておいてください。

【パターン1】国内取引所→国内取引所への送金で、4つの条件をすべて満たす場合

国内取引所への送金で、以下の4つの条件をすべて満たすものがパターン1に該当します。

  • 受取人と送付依頼人が同一である
  • 国内の暗号資産交換業者が受取暗号資産交換業者である
  • 送付する暗号資産がBTCまたはETHであること
  • 送付する暗号資産の邦貨換算額が10万円を超える額である

それぞれ補足します。

①例)クリタさんのGMOコインの口座から、クリタさんのコインチェックの口座に送金する。
②要は送付先が取引所であるかどうかということ。ほぼ該当するかと。
③そのまんまの意味。例えば、XRPを送付する場合はこの条件に該当しません。
④これもそのまんま。10万円未満の送金は該当しません。

上記の条件をすべて満たしていると、取引所の通知義務が発生します

【パターン2】国内取引所→国内取引所への送金で、4つの条件を1つでも満たさない場合

国内取引所への送金で、パターン1の条件を1つでも満たさないものがあればパターン2に該当します。

例1)クリタさんからヤマダさんへの送金
例2)XRPの送金
例3)5万円分のBTCの送金

この例は条件を満たしていないのでパターン2に該当し、取引所の通知義務は発生しません

※ユーザーが取引所に個人情報を提供するのは変わりません。
※本施行日以降は、条件に関係なく、送金先の取引所に個人情報が通知されます。

【パターン3】国内取引所→海外取引所やプライベートウォレット、トラベルルール対象外国への送金の場合

具体的に言うと、Binanceやメタマスクへの送金がパターン3に該当します。

このパターンでは、取引所に通知義務は発生しませんが、送付先のリスク評価をする必要があります



最悪のケースだと、リスク評価の結果、国内取引所から海外取引所への送金ができなくなるという可能性が考えられます。

例えば、「Binanceは金融庁の認可を受けていないから送金を認めません」なんてことがあるかもしれません。



逆のパターンで、海外取引所などから国内取引所へ送金された場合は、国内取引所に対して個人情報が通知されないため、国内取引所は「リスク評価のために送付人の情報を取得しなければならない」とされています。

この場合も、最悪のケースとして、送金が受け入れられない場合があるかもしれません。

ただし、これらのリスク評価の実施は、本施行日までは努力義務とされています。

そのため、取引所がどれくらいの意気込みで取り組むかによりますが、4月1日になっても、現状とそこまで変わらないのかなと楽観的に考えています。



仮に本施行日以降、厳しくリスク評価されて送金に制限がかかるようなことがあれば、日本の取引所は本当に使いづらくなってしまいます。

しかもリスク評価に関しては、JVCEAの資料を見てもほとんど記載がありません。本施行日までには、リスク評価の基準を明確に提示してほしいです。

国内取引所の対応まとめ

トラベルルールの説明をしてきましたが、各取引所によって対応が異なります

主要な取引所の情報をまとめたので以下から確認してください。

bitbank

公式サイトbitbank

対応開始日:2022年4月1日

対象:全てのお客様

保存情報
・受取人が送付依頼人本人か否か、本人でない場合受取人に関する情報
・出金先暗号資産交換業者の名称

bitbank
引用:bitbank support

GMOコイン

公式サイトGMOコイン

対応開始日:2022年3月30日

対象:全てのお客様

保存情報
・受取側暗号資産交換業者の有無(ある場合はその名称)
・受取人氏名
・受取人住所に関する情報
・受取人との関係
・実質的支配者情報(受取人が法人の場合)

取引内容によって追加の情報 、資料の提出が求められることもあるようです。

GMOコイン
GMOコイン
GMOコイン

コインチェック

公式サイトコインチェック

対応開始日:2022年3月30日

対象:全てのお客様

保存情報
・受取人が送付依頼人本人か否か、本人でない場合受取人の氏名(法人の場合は名称)
・受取暗号資産交換業者の名称

コインチェック

ビットフライヤー

公式サイトビットフライヤー

対応開始日:2022年3月28日

対象:全てのお客様

保存情報
・受取人の氏名・氏名ふりがな
・送付先(取引所の名称等)

ビットフライヤー

比較するとGMOコインは求められる情報が多いですね。

仮想通貨保有者が取るべき行動

ここまで読んでくれた方なら感じていると思いますが、今回のトラベルルールではそこまで大きな影響はないように思います。

そのため、急を要する対応はありません

状況が変わるとしたら、10月1日、もしくは本施行日(未定)以降になりそうです。

それを踏まえた上で、取るべき行動を挙げるなら「資産の保管場所の検討」です。

最悪のケースは、海外取引所への送金が禁止されることです。それを未然に防ぐには、資産を事前に国内取引所から逃がす必要があります

特に海外取引所で買いたい通貨があるということでなければ、個人ウォレットに資金を移すのがアンパイだと思います。

あと、ガチホ勢の人はそのまま国内取引所に置いていても大丈夫です。
周りで資金の移動をしている人がいるかもしれませんが、国内取引所に問題があるとかそういうことではありませんので!

自分の取引目的に合わせて、資産の保管場所を決めましょう。



初心者でビットコインをガチホしたい方はコインチェックがおすすめです。

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大したことない結論になってしまいましたが、今回は以上ですw

各取引所の対応によるところが大きいので、その状況を見てから検討するのもありだと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

  • この記事を書いた人

クリタ

2017年、当時13万円だったビットコインに全財産の半分をBET。それから日々、仮想通貨について情報収集しており、そこで得た知見をもとに発信します。

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