「メタマスク(MetaMask)」を知っていますか?
メタマスクとは、仮想通貨を保管するためのお財布です。通貨の両替や、受取・送金などができます。
お財布と言っても、実在するわけではなく、インターネット上で利用できるサービスです。イメージとしてはネットバンキングに近いです。
その仮想通貨ウォレットの中で、代表格がメタマスクです。
今回は、メタマスクの概要から運用方法まで、知識0の人でもわかるように完全解説します。
僕は2017年に仮想通貨を購入し、今では日本円にして8桁の金額を運用する仮想通貨投資家ですので実績は十分かと。
Web3.0領域では、自分の仮想通貨ウォレットを接続して利用するサービスが多くあります。そのため、メタマスクは必須ツールと言っても過言ではありません。
LINEのようにほとんどの日本人がメタマスクを利用する未来もそう遠くはないと思っています。まだ利用したことがない人も本記事を見てインストールを検討してみてはいかがでしょうか。
概要はとばして、作成方法を早く知りたい!という人はこちらからどうぞ
では、いきます!
目次
メタマスクとは仮想通貨ウォレットの一つ
メタマスクとは、イーサリアム系のトークンを保管するための仮想通貨ウォレットです。ブラウザ版もしくはアプリ版を利用することができます。
イーサリアム系のトークンとは、ERC-20という規格を満たしたトークン(仮想通貨のこと)を指します。
例えば、ETH、USDT、DAIなどがERC-20トークンにあたります。これ以外にも莫大な数のトークンが存在します。
ERC-20とは、イーサリアムチェーンと互換性のあるトークンを作るための規格です。
仮想通貨は取引所でも管理できますが、メタマスクなどの個人ウォレットで管理することで、ハッキングリスクを減らすことができます。
加えてメタマスクをDeFiに接続させたり、dApps(分散型アプリケーション)の決済に用いたりすることができ、イーサリアム上のサービスを使う人にとって必須のツールと言えます。
メタマスクのメリット
dAppsを利用するなら必須とも言えるメタマスクですが、ここでは3つのメリットについて説明します。
- 初心者でも使いやすい
- 様々なトークンを一元管理できる
- 多くのサービスが利用可能
詳細に説明していきます。
初心者でも使いやすい
機能が厳選されており、UIもシンプルで使いやすいです。
メタマスクは利用者が多く、わからないことがあっても調べればすぐわかるので、初心者でも安心です。あと、日本語対応しているのも嬉しいポイントです。
最初は戸惑うかもしれませんが、送金方法と、スワップだけわかれば十分かなと思います。
様々なトークンを一元管理できる
イーサリアムチェーンの他にも、バイナンススマートチェーン、ポリゴンチェーン、アバランチチェーンなど様々なブロックチェーンのトークンを一元管理することができます。
以下のように複数のネットワークを追加することでき、自分仕様のウォレットにカスタマイズ可能です。
また、一つのメタマスクで複数のアカウントを作ることができるため、トークンごとにウォレットを分けて管理することも可能です。
多くのサービスが利用可能
DeFiやブロックチェーンゲームを利用するには、自身のウォレットを接続する必要があります。メタマスクは多くのサービスに対応しているので、利用できるサービスの幅が広がります。
例えば、以下のようなサービスに対応しています。
- 簡単に仮想通貨を複利運用できるDEX「PancakeSwap」
- トレーディングカードのBCG「Gods Unchained」
- 圧倒的利用者数を誇るNFTマーケットプレイス「Opensea」
取引所で仮想通貨を保管しているだけでは利用できないサービスも数多くあるので、そんなサービスに触れてみたいという人にはメタマスクは非常におすすめです。
知らない単語ばかりかもしれませんが、対応サービスがたくさんあるよって認識でOKです。
メタマスクのデメリット
続いてデメリットです。
資産の消失につながる可能性もあるのでしっかりと理解してください。
- イーサリアム系のトークンしか扱えない
- ハッキングリスク
イーサリアム系のトークンしか扱えない
デメリットというほどでもありませんが一応。
メタマスクで取り扱いできるのはイーサリアム系のトークンのみです。例えば、ビットコインはイーサリアム互換ではないのでメタマスクでは保管できません。
その他のイーサリアム系ではないトークンをウォレットで管理するとなると、別にウォレットを用意する必要があります。
例えば
polkadot → polkadot{.js} が必要
Axie Infinity → RoninWallet が必要
ハッキングリスク
「個人ウォレットだから安全」と思っていたら大間違いです。むしろ、セキュリティ対策が不十分だと取引所より危険です。
仮想通貨の世界では、詐欺が横行しています。フィッシングサイトや運営のなりすましなど、多種多様な手段で我々ユーザーを騙そうとしてきます。詐欺サイトであると気づかずにメタマスクを接続してしまうと、資産を抜き取られてしまうことも。
対策としては、怪しいプロジェクトには一切関与しないことです。メタマスクを接続させるときは、そのサービスが信用できるものかどうかを調べてから接続するようにしましょう。
あと、厳しいようですが、SNSで不特定多数に助けを求めないこと。
「メタマスクの送金方法がわかりません(泣)」などとつぶやくと、親切な人を装った詐欺師が集まってきます。他にもTwitterのDMで謎の英文が送られてきたりしますが、絶対に無視です!
メタマスクの作成方法【ブラウザ版】
それでは、メタマスクを作成していきます。
ここではブラウザ版(PC)の作成方法を説明します。
アプリ版もありますが、今後DeFiやゲームをするなら、ブラウザ版のほうが連携がスムーズです。
大まかな流れは以下のとおり。
- メタマスク公式サイトにアクセス
- メタマスクをインストール
- パスワードを設定
- シークレットリカバリーフレーズをメモ・入力
それでは、詳細に説明していきます。
①まずはメタマスク公式サイトにアクセスしましょう。
>>https://metamask.io
メタマスクには偽サイトが存在します。上記のリンクは安全ですが、自分でもURLを確認する癖をつけましょう。
②「Download now」をクリック。
③インストールする形式を選択します。このままChromeで進めていきます。
④Chromeウェブストアに遷移します。「Chromeに追加」、「拡張機能を追加」をクリック。
⑤メタマスクの画面が開くので、「開始」をクリック。
⑥「ウォレットを作成」をクリック。
⑦記載事項をしっかり確認し、「同意する」をクリック。
⑧パスワードを入力し、利用規約にチェックを入れたら「作成」をクリック。
⑨シークレットリカバリーフレーズについての動画が見れます。「次へ」をクリック。
シークレットリカバリーフレーズとは、あなたのウォレットの鍵です。ウォレットを復元するときに必要になります。
⑩黒い部分をクリックすることで、シークレットリカバリーフレーズという12個の英単語の羅列が表示されます。これを順番通り(※超大事)にメモしたら、「次へ」をクリック。
おすすめは『紙に書いて保存』です。ネット上で保存すると流失のリスクがあります。
シークレットリカバリーフレーズは他人には絶対に教えてはいけません!他人に知られると資産を抜き取られてしまいます。尋ねられたとしても十中八九詐欺なので無視してください。
⑪先ほどメモした単語を順序どおりにクリックしていく。その後、「確定」をクリック。
先ほどと違い、シークレットバックアップフレーズと表示されていますが、シークレットリカバリーフレーズと同じです。他にもシードフレーズと呼んだり、呼び方がバラバラです。厄介ですが、これらはすべて同じものを指していると認識しておきましょう。
⑫「すべて完了」をクリックしたら、作成完了です!
その後、自動的にメタマスクの画面に遷移します。
✔使いやすいように拡張機能に表示させましょう
①パズル、②ピン、の順にクリックすると、③のようにトップ画面にメタマスクが固定されます。今後使うときは、キツネのボタンをクリックするとすぐにメタマスクが起動します。
作成自体は簡単でしたね!ただし、シークレットリカバリーフレーズは本当に厳重に保管してください。
メタマスク【アプリ版】のセットアップ
ブラウザ版だけじゃなくてアプリでも気軽に使いたい!という人はアプリをダウンロードしてセットアップの手続きをしましょう。
最初からアプリ版を使いたい!という人はブラウザ版の作成方法を参考にしてください。ほとんど同じ手続きです。
①メタマスク公式サイト(https://metamask.io)にアクセスし、iOSかAndroidを選択。
②「開始」をタップ。
③「インポートする」をタップ。
④ブラウザ版で入力したシークレットリカバリーフレーズとパスワードを入力して、「インポート」をタップ。
※単語の間にはスペースを入れてください。
⑤記載事項を確認し「同意します」をタップ。
これでアプリのセットアップが完了です!
メタマスクの使い方【入金・出金・スワップ】
メタマスクはシンプルなUIで初心者でも使いやすいのが特徴です。
その中でも、仮想通貨の入出金、仮想通貨のスワップを覚えておけば不自由なくメタマスクを利用できると思います。
それぞれ説明してきます。
【入金】GMOコインからメタマスクにETHを送る方法
GMOコインからメタマスクにイーサリアムを送金する方法を説明します。
✔GMOコインは送金手数料が無料の仮想通貨取引所です。
まだ口座開設していない人はこちらを参考にしてください。
>>【2022年】GMOコイン口座開設方法【5ステップで解説】
日本円の入金方法、イーサリアムの購入方法はこちらで解説しています。
>>手数料を抑えたイーサリアム(ETH)のお得な買い方【入金からウォレット送付まで】
①GMOコインにログインし、ホームから「入出金」→「暗号資産」→「イーサリアム」と選択してください。
②「送付」を選択し、宛先を追加していきます。
③メタマスクを開き、イーサリアムアドレスをコピーし貼り付けます。名称は自分がわかりやすい名前をつけましょう。
長〜い英数字がイーサリアムアドレスです。文字列をクリックするとコピーできます。
仮想通貨を取引するときは、この長いアドレスを入力する必要があります。仮に文字を間違えて入力しそのまま送金してしまった場合、送金が失敗し、仮想通貨が消失してしまう恐れがあります。入力する際は、手入力せず、必ずコピー&ペーストするようにしましょう。
④宛先が追加できたら、送りたい宛先を選択して、送付数量を入力。SMSで受け取った認証コードを入力したら「確認画面へ」をクリック。
⑤「実行」をクリックすれば送金完了です。
早ければ数分で着金します。取引履歴は、トップ画面の「アクティビティ」から確認できます。
入金の際、メタマスク側の作業はアドレスをコピーするだけなので簡単ですね!
【出金】メタマスクからGMOコインにETHを送る方法
続いて、先程と逆のパターンで、メタマスクからGMOコインにイーサリアムを送金する方法を説明します。
まず抑えておいてほしいのが、メタマスクで送金・スワップするには、ガス代がかかるということです。
ガス代とは、トランザクション(取引)を正しく処理するための手数料です。この手数料は、取引を計算してくれているマイナーに支払われます。マイナーがいなければ、そもそも取引が成立しませんから、謝礼として手数料が払われているわけです。
マイニングについては、こちらでもう少し詳細に説明しています。
>>【初心者向け】仮想通貨(暗号資産)の特徴や仕組みをわかりやすく解説
そのため、メタマスクには常時ガス代分の仮想通貨を余分に入れておかなければいけません。イーサリアムチェーンであれば、ETHがガス代として必要です。
【あなたがAさんに1ETH送る場合】
1ETH+0.001ETH(ガス代)=1.001ETH
合計で1.001ETHが必要になるということです。
投資計画をたてるときは、ガス代のことも考慮に入れておきましょう。
余談ですが、イーサリアムのガス代が高いということで、ガス代を安くする試みや、ほとんどガス代がかからないブロックチェーンの開発などが行われています。
ガス代が高いときは、1000円分のETHを送るのに、ガス代が1万円かかるみたいな状況がありましたw
長くなりましたが、送金方法の説明に移ります。まずは、送金先(GMOコイン)の受取アドレスを確認します。
①GMOコインにログインし、ホームから「入出金」→「暗号資産」→「イーサリアム」と選択してください。
②「預入用イーサリアムアドレスの作成」というボタンがあるので、それをクリックするとQRコードとイーサリアムアドレスが表示されます。アドレスのほうが操作が楽なので、イーサリアムアドレスをコピーしてください。
③受取アドレスがわかったらメタマスクを開き、「送金」をクリック。
④「送金先」にGMOコインの受取アドレスをコピペ。
アドレスは手打ちではなく必ずコピペしましょう。1文字でも打ち間違えると送金が失敗し、資産を失います。
⑤送金したい金額を入力し「次へ」をクリック。
「最大」をクリックすると、送金できる最大の金額が自動的に入力されます。
⑥送金金額、ガス代を確認して良ければ「確認」をクリック。これで送金完了です!
✔送金スピードは変更可能です
上の画像の「編集」をクリックすると、以下の画面が表示されます。低・中・高を選択することで送金スピードが変わり、それに伴いガス代も変わります。
「高」を選択すると、ガス代は高くなるが、送金スピードは上がる。
「低」を選択すると、ガス代は安くなるが、送金スピードは下がる。
僕は特に気にせず、通常のスピードで送金してます。この辺は臨機応変に使い分けてみましょう。
【スワップ】ETHをUSDTにスワップする方法
通常、仮想通貨のトレードは取引所で行いますが、メタマスク内でもトレード(スワップ)することができます。
①「スワップ」をクリック。スワップしたい数量、スワップ先の通貨を選択して、「スワップの確認」をクリック。
②スワップして得られる額、ガス代を確認して良ければ「スワップ」をクリック。これで完了です!
出金のときと同様に、「編集」からスワップのスピードを変更することができます。
よく見てほしいのですが、結構ガス代かかってますよね。
説明しておいてなんですが、メタマスク上でのスワップはガス代が高いので、基本的には取引所でトレードすることをおすすめします。
よくある質問
トークンの追加方法
メタマスクに仮想通貨を送ったけど、反映されていない!
と焦っているみなさん、安心してください。これはメタマスクにトークンを追加していないのが原因です。
ちなみに僕も経験済みですw
①「トークンをインポート」をクリック。
②追加したい仮想通貨の単位を入力。検索結果から該当の通貨をクリックして「次へ」をクリック。「トークンをインポート」をクリックすれば追加完了です。
トークンとして追加したら、送金済みの金額も反映されているはずです。
✔コントラクトアドレスをもとに追加する方法
中には検索しても出てこない仮想通貨があります。そんなときは「カスタムトークン」から追加しましょう。
コントラクトアドレスを入力して「カスタムトークンを追加」をクリック。その後、「トークンをインポート」をクリックしたら追加完了です。
コントラクトアドレスは「コインマーケットキャップ」で知りたい通貨を検索すると調べることができます。
トークンのコントラクトアドレスはチェーンごとに変わります。固有のアドレスを持っているわけではないことに注意しましょう。
イーサリアム以外のネットワークの追加方法
ここでは、Polygon(旧Matic)チェーンを追加する方法を紹介します。
①「イーサリアムメインネット」→「ネットワークを追加」をクリックすると、新しいタブが開きます。
②Polygonを設定するための下記ネットワーク設定値を入力し、「保存」をクリック。
- ネットワーク名:Polygon Mainnet(名前は覚えやすいものでOK)
- 新規RPC URL:https://polygon-rpc.com/
- チェーンID:137
- 通貨記号:MATIC
- ブロックエクスプローラーのURL:https://polygonscan.com/
これでネットワークに追加できました!
複数アカウントの追加方法
①マイアカウントのボタンをクリック。「アカウントを作成」をクリック。
②アカウント名を入力して「作成」をクリック。これでアカウントが追加できました!
アカウントごとにウォレットアドレスが変わっているのがわかると思います。
取引所とウォレット、どちらが安全?
一般的に、暗号鍵を自分で所有している分、ウォレットのほうが安全と言われます。
暗号鍵とは銀行口座でいう暗証番号のようなものです。
しかし、個人の管理能力によるところが大きいです。
仮想通貨のプロジェクトは詐欺サイトも横行していますし、送金ミスをする可能性も考えられます。それらは全て自己責任です。
投資する際は、事前リサーチをしっかり行ったり、少額から送金してみたりすることで、自らの資産を守りましょう。
イーサリアム系以外のトークンでも保管できるの?
できません。
あくまでもメタマスクはイーサリアム系のトークンを保管するためのウォレットです。
例えば、ビットコインはメタマスクには送ることができません。しかし、BSCネットワークにビットコインを送ると、BTCBというビットコインを担保にしたトークンが追加されます。
【まとめ】メタマスクは未来のお財布
以上、メタマスクの完全解説でした。
ポイント
・メタマスクはイーサリアム系のトークンを保管できる仮想通貨ウォレット
・初心者でも使いやすく、さまざまなサービスと連携できるのが魅力
・ハッキングには十分に気を付け、シークレットリカバリーフレーズは絶対に他人に教えてはいけない!
・初心者はまず、入金・出金・スワップの使い方を抑えよう
メタマスクは、Web3.0の領域においてはすでに必須のツールとなっています。
将来的には、日本人のほとんどが所有する仮想通貨ウォレットになっていてもおかしくないと思っています。
作成にお金はかからないですし、少額しか仮想通貨を入金しなければリスクも少ないです。まずは試しに触れてみてはいかがでしょうか?
最初は僕も「仮想通貨ってなんか怪しいなあ」と思っていましたが、いくら考えても理解は深まりません。百聞は一見に如かずです。
少しでも興味を持ったら、こちらに戻ってメタマスクを作成してみてください。
>>メタマスクの作成方法【ブラウザ版】